メイバンダバン 〜レビュー募集中〜

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【2010年代の邦楽名盤①】ゲスの極み乙女。『両成敗』(byよーよー)

 

両成敗(通常盤)
 

 悪評もスキャンダルも蹴散らす勢いの圧倒的名盤。

シングル曲はもちろん飛びっきりにキャッチーだし、アルバム曲も各曲アイデアに富んでいて、アルバム通しての深みもある。全17曲で64分というボリュームは、聴くのにあっという間という訳にはいかないが、全部聴き終わった後には文豪の名作長編を一冊読み終えたような気持ち良さと達成感がある。

ハードロック調のギターから始まる#1「両成敗でいいじゃない」から始まって、J-POPもヒップホップもプログレもジャズもクラシックも80年代ディスコも取り込んで、まさに完全無欠の新しいミクスチャーロックだ。

まず特筆すべきなのは、神聖かまってちゃんのの子も褒めていたが曲の良さ。最強なのはサビのメロディのキャッチーさ。僕の妻も彼らのヒット曲のサビを口ずさんでいた。多くの人が口ずさむような中毒性と親しみやすさが彼らの曲にはある。ファルセットの高音も心地よい。各メンバーが自由に演奏しても、結局はこの強靭でキャッチーなサビのメロディがあるから、一つの歌になる。

レコード大賞にも紅白歌合戦にも出演したゲス乙女。時代を捉えたし、時代が捉えた楽曲は大きな人気を博すことになった。アルバムタイトルについても、『両成敗』というタイトルはインパクトだけ考えて特に理由はないとソングライターの川谷絵音さんはインタビューで語っているが、YESとNO、好きと嫌いに別れたり、あらゆるレイヤーで両極端になって中間層が痩せ細っていく現在、このタイトルもまた、無意識に時代を捉えていると言えるのかもしれない。

レコード大賞に出演した際に、甘利大臣がマイナンバー制度の説明の際に#15「私以外私じゃないの」を歌ったことを川谷さんが「意味が分からない」と切り捨てたのには驚いた。雑誌のインタビューを読んでいても思うが、強気で自分に正直なのだろう。あるいはヤワに見られたくないという販売戦略なのかもしれない。

シングル曲#7「オトナチック」の「悔しく思ったなら 背負い続けてみろよ」という歌詞の最後は、国民的バンドであることを引き受けた川谷さんの自負の表れでもあるのだろう。実力を伴った自信を持っているからこそ、強気にもなれる。

そんな川谷さんが率いるからこそ、ここまで思い切りのよくポップなアルバムができたのだろう。インタビューを読んでいると、川谷さんは天才型のソングライターで、曲を思い付いた時にすぐに歌詞とメロディが浮かぶようだ。

サカナクションの山口一郎さんもMステで近いことを言っていたが、キャッチフレーズのような言葉が連続する歌詞はインパクトがある。自分やエゴを出さないことは商品として流通に乗りやすくなることを意味するが、本作の歌詞とサウンドはキャッチフレーズ的な商品性・大衆性がありつつ、川谷さんが溜め込んでいる嘆息やカルマが裏に透けて見える気がするのだ。

フロントマンの川谷さんの別バンド“indigo la End”では上質なギターロックを聴かせ、心を揺さぶる歌もあるのだが、トリッキーなゲスの極み乙女もやることで、「上質」という名の凡庸から抜け出している。

『両成敗』は、そんなトリッキーなゲスにindigo la Endの上質なところや上品さを逆輸入して、トリッキーかつ上質なアルバムになっている。これはもう無敵だ。

『みんなノーマル』に収録されたバージョンの「パラレルスペック」と本作のバージョン(#13「パラレルスペック」funky ver.)を比べるとその成長は一目瞭然だ。より音楽的に曲が構築されているし、音の質感もパブロックがAORになったぐらいの違いがある。#16「Mr.ゲス X」の歌詞ではないが、「4人は化けてしまった」のだ。

前作までの毒もだいぶ薄まった気がする。川谷さん達がいま欲しいのは、一部の人の心をくすぐる毒よりも、より多くの人の心をつかむ普遍性なのだろう。「泣けて泣けて泣けてくるんだ」という歌詞を#12「無垢な季節」のサウンドの中で歌われると、本当に泣けてくる共感を呼び込む力が本作の楽曲にはある。

目標としているのは東京事変だと『ロッキンオン・ジャパン 』のインタビューで語っていたが、ゲスの音楽は東京事変同様、確かに大衆(マス)に愛されるキャッチーさとコアな音楽ファンに愛される深みがある。コアな音楽ファンにはその音楽性の深みが浸透していないきらいがあるが、それはこれから徐々に浸透していくのだろう。

また、各メンバーに音楽的な個性があり、そのメンバーが印象的なフレーズを奏でているところも東京事変と同じだが、ゲスは東京事変よりも個々のプレイヤビリティを前面に出している感じがする。ゲスの音楽では、従来から主流である上モノが楽曲をリードするバンドサウンドThe Whoを嚆矢とするリズム隊がリード楽器のように前面に立つバンドサウンド、両面のバンドサウンドのアプローチがバランス良く結合している。

ゲスは革新的で心地よいサウンドを届けてくれるだけでなく、意味性の面においてもファンにとって大切な曲を届けてくれる。楽曲が新しい景色を見せてくれる時だけでなく、リスナーの心の景色と楽曲で描かれる心象風景が一致する時も、その楽曲はそのリスナーにとって特別な曲になるが、僕にとってはそれはシングル曲の#3「ロマンスがありあまる」だった。

僕にはありあまる ロマンスがありあまるけど
死に物狂いで生き急いでんだ
(「ロマンスがありあまる」)

この曲に含まれるセンチメンタリズムと性急な切迫感は他のバンドでは聴けない類のものだ。楽しい音楽に落とされる一筋の影。その影が含んでいる切実さとカルマを聴きたくて、これからも僕は彼らの音楽を聴くのだろう。孤独や愛着や違和感といった根源的な感情で内省して揺れる自己を昇華するように響く、あの天上へ響くようなファルセットを求めて。


ゲスの極み乙女。 - ロマンスがありあまる


ゲスの極み乙女。 - 私以外私じゃないの


ゲスの極み乙女。 - 両成敗でいいじゃない

 

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ラズマタズ復活とチェインスモーカーズサマソニ【投稿お待ちしております】

投稿が来ないです。。

このままでは、管理人の個人ブログになってしまう。。

ま、投稿が来なくてもぼちぼち続けていきます。

皆さんからの投稿、お待ちしております。

 

僕のTLではラズマタズの復活が話題になっていました。

visual-matome.com

 


RAZZMATAZZ   MERRY-GO-ROUND

 

音に凄く時代性を感じる。90年代の音。今、聴くと古く感じてしまう。復活した今のラズマタズがどんな音を鳴らすか楽しみ! ポップセンスはどんなバンドにも負けないと思う。

とツイートしたら、フォロワーの方が時代性は感じないとツイートされていて、みなさんはどう思います? 僕的には、90年代のJ-POP黄金期のソングライティングとサウンドという感じがするんだよなぁ。

 


アップル&ペアーズ PV 風に失くした言葉

ラズマタズと並んでJポップアカ界隈で人気のあるアップル&ペアーズ。1993年結成、2000年解散のロックバンド。ラズマタズと並んで聴くと、Jポップアカ界隈が好きな「うた」の空気が何となく分かる気がするね。

 

一方、洋楽アカ界隈では、チェインスモーカーズとThe 1975がサマソニに来ることで盛り上がっていました。EDM界で五指に入る人気アーティスト(と僕は思っている)のチェインスモーカーズとロックバンドで今一番勢いのあるThe 1975を招聘できるなんて、スゴい!!


The Chainsmokers - This Feeling ft. Kelsea Ballerini (Lyric Video)

 


The 1975 - Sincerity Is Scary (Official Video)

 

数字のバンドが出演するという情報が先に出て、大方の予想はThe 1975だけど、ここで100s中村一義がやっていたバンド)が復活したら面白いと思っていました。レキシやっている池ちゃんが忙しいから無理かとも思っていたけどね。

 

投稿規定

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それでは、投稿お待ちしております!

ジェイムス・ブレイク『Assume Form』(byよーよー)

 

Assume Form

Assume Form

 


James Blake - Mile High feat. Travis Scott and Metro Boomin (Official Audio)

 

 

●正しいだけで日本の大衆を巻き込む訴求力がない

Travis Scott、Metro Boomin、Andre 3000、ROSALIAという豪華なゲストとコラボした、James Blakeの約3年ぶりとなる待望の4thアルバム『Assume Form』。

ジェイムス・ブレイクの甘い歌声が静謐なピアノや壮麗な電子音楽と化学反応を起こし、甘美な陶酔感あふれる音楽になっている。ハードな電子音楽というよりは、電子音楽を用いた歌ものという感じがした。

しかし、僕はこういうフワッとしたメロディよりも、もっとハッキリしたメロディの方が好きだ。鳴っている音像は好きなのだけれども、歌ものとしてメロディがちっともポップに感じられなかった。もっとも、前作までを聴いていると、これでもポップの外套を纏っているという気はするのだが。

二周聴いたけれども、こういう音楽を聴いていると、ガツンとギターが鳴っている音楽が聴きたくなるね。生音のドラムとベースが恋しくなる。要は僕はバンドサウンドが好きだということ。

洋楽が90年代までしかあまり聴かれない理由は明白だ。日本人が内向き志向になったという理由もあるけれども、洋楽が日本人にとってつまらない音楽になったことも大きいと思う。多くの日本人は歌メロが際立っていて、演奏にはっきりとした主張がある音楽が好きなんですよ。60年代のビートルズ、70年代のレッドツェッペリン、80年代のクイーン、90年代のオアシス、みんな歌メロが強いし、演奏にはっきりとした主張がある。

実験性とポップを両立させたレディオヘッドの足元にも及ばない。ジェイムス・ブレイクの実験性もポップネスもこの時代では正しいが、正しいだけで日本の大衆を巻き込む訴求力がない。レディオヘッドが偉大なのは、日本の大衆も巻き込む実験性とポップネスだったからだと思う。つまり、日本人でも理解できる歌メロと演奏の強度があったのだ。

もちろん、世界で見ればジェイムス・ブレイクは売れている。日本でジェイムス・ブレイクが売れるには、日本人の耳に変革が必要だと思う。こういうメロディ、リズム、アレンジがクールなのだということを日本人が実感できるようにならなければならない。残念ながら、僕の耳では理解できなかった。

ただ、ゲストのAndre 3000のラップは良かった。言葉の切っ先が鋭く耳を刺してくる。また、ジェイムス・ブレイクの歌唱も良い気だるさがあって素晴らしい。よって星3つ。

評価★★★(星5つが満点)

 


James Blake - Tell Them (Official Audio)


James Blake - Where's The Catch (Official Audio)

 

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2019.1.19. 公開記事と注目リリース情報【週刊メイバンダバン】

 

本日公開記事

 

King Gnu『Sympa』(byよーよー) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

チェキッ娘は理想のアイドル(byリスト係) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

金運上昇Works「生きている時間」(byそらまめ) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

ZARD「永遠」(byそらまめ) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

Mr.Children『重力と呼吸』(byすいとんbot) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

ハルカトミユキ『溜息の断面図』(byネノメタル) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

THE BLUE HEARTSの全アルバムを詳細レビュー(by pnk) - 名盤×駄盤 〜みんなで音楽批評〜

 

管理人が注目するリリース情報

2019.01.19

日食なつこ『永久凍土』

 

2019.1.23.

 

Q-MHz feat. 日高光啓 a.k.a. SKY-HI『風強く、君熱く。 ※配信限定』
 阿部真央阿部真央ベスト』

フジファブリック『F』

TENDOUJI『GARDEN / Peace Bomb』
アンテナ『深い 深い 青』
秋山黄色『Hello my shoes』
go!go!vanillas『No.999』
魔法少女になり隊『∀』
空想委員会『空想録(二〇一一‐二〇一八)』
YUKI『やたらとシンクロニシティ ※配信限定』
 
2019.01.25

岡崎体育×日野市立七生緑小学校合唱団『心のノート ※配信限定』
 

次回更新予定

2019.1.26.(土)

※管理人に急用が入った時を除く

 

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投稿は週に一つの記事まででお願いいたします。

いただいた投稿原稿は、毎週土曜日(管理人が予定がある時は日曜または次週以降)に公開する予定です。

 

 

THE BLUE HEARTSの全アルバムを詳細レビュー(by pnk)

自分は中学時代に尾崎豊と出会った。
反抗期真っ只中の中学生がハマるありがちなパターンだ。
そして中学高校とずっと好んで彼の音楽に触れ、歌詞に共感しては魂を震わせたりもしていた。
彼の誕生日になれば渋谷へ行き、命日には亡くなった彼のお墓まいりにも行くくらいには彼に心酔していた。あの頃の自分は、信者と言っても過言ではないかもしれない。
 
 
元々音楽を聴くのは好きだったが、高1のときに"歴代ミリオンシングル"を全曲聴いたことがきっかけで90年代、そしてそれ以前の音楽を中心に聴くようになり、それから本格的に音楽(聴く方)にのめり込むようになって行った。
 
  
 
そして出会った。
 
 
長らく大好きだった尾崎豊を越えるアーティストに。
 
 
 
 
メンバー
 
 
 
1985年2月結成 
1987年5月、シングル「リンダ リンダ」でメジャー・デビュー。1995年6月1日のラジオで解散を発表。ラストアルバム「PAN」の発売と共に解散。日本におけるパンクロックの立役者とも言われており、後のロックシーンに多大な影響を及ぼした。解散後、甲本 真島の2人はTHE HIGH LOWSの活動を経て現在はザ クロマニヨンズで活動中。
 
 
彼らの作る曲は楽しく、面白く、そしてとにかくカッコ良かった。
 
 
 
 
 
1st album
 
 
 
"最高にカッコいいブルーハーツ"
 
★★★★★
1987年5月21日リリース
 
濃すぎるメッセージ、圧倒的な疾走感。
若い彼らの衝動が詰まった一枚。
全アーティストの全作品の中で1番好きなアルバム。
 
好きな3曲 
「終わらない歌」
"終わらない歌を歌おう"というフレーズが繰り返される曲、とてもキャッチー。
 
「少年の詩」
まさに少年の詩。
サビ。
 
言わずと知れた名曲。
リリースから32年、老若男女問わず知ってる"本物の名曲"と言いたい。
 
好きなフレーズ
 
どこかの爆弾より 目の前のあなたの方が
震えるほど 大事件さ 僕にとっては   
「NO NO NO」より
 
大人たちに褒められるような
バカにはなりたくない     
「少年の詩」より
 
生きるということに 命をかけてみたい
「世界のまん中」より
 
ドブネズミみたいに 美しくなりたい
リンダリンダ」より
 
 
2nd album 
「young and pretty」
 
 
 
 
 
★★★★
1987年11月21日リリース
 
一見荒々しいパンクバンドだが、彼らの曲を聴けば聴くほどブルーハーツ
"不良にすらなれない端くれの心の叫び"
を歌ってるのをヒシヒシと感じる。
そういう叫びを歌ったのがこの2ndアルバム「young and pretty」
 
好きな3曲
「ロクデナシ」
young and pretty というアルバムを一曲にまとめるとこの曲になるだろう。
 
「星をください」
メロディが好き。
 
「チェインギャング」
真島ボーカル。
優しい。
 
好きなフレーズ
生まれたからには生きてやる 
「ロクデナシ」より
 
仮面をつけて生きるのは
息苦しくてしょうがない
「チェインギャング」より
 
ひとりぼっちが怖いから
ハンパに成長してきた
「チェインギャング」より
 
3rd album
「TRAIN-TRAIN」
 
 
 
 
★★★
1988年11月23日リリース
大好きなアルバムであり、大好きな文学作品。
言葉選びが非常に秀逸。
 
好きな3曲 
「TRAIN TRAIN」
キャッチー、サビがとにかくキャッチー、歴代JPOPの中でも有数のキャッチーさ。
言わずと知れた名曲。
 
「僕の右手」
何に向けたものなのか、誰に向けたものなのか。
 
「青空」
ブルーハーツにハマるきっかけとなった曲。人種差別を歌う曲は他にも山ほどあるが、これだけ真っ直ぐな曲はなかなかない。
 
好きなフレーズ
見えない自由が欲しくて 見えない銃を撃ちまくる  
「TRAINTRAIN」より
 
世界中に定められたどんな記念日なんかより あなたが生きている今日は
どんなに素晴らしいだろう
「TRAINTRAIN」より
 
世界中に建てられてる どんな記念碑なんかより あなたが生きている今日は
どんなに意味があるだろう
「TRAINTRAIN」より
 
メリーゴーランド 1番前は誰
「メリーゴーランド」より
 
歴史の本の最後のページ
白紙のままで 誰にも読めないよ
「電光石火」より
 
闘う時には武器などいらぬ
愛する時には言葉はいらぬ
「ながれもの」より
 
神様にワイロを送り 天国へのパスポートを ねだるなんて本気なのかい?
「青空」より
 
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問い詰める 
眩しいほど 青い空の真下で
「青空」より
 
4th album
「bust waste hip」
 
 
 
 
★★☆☆☆
1990年9月10日リリース
 
レーベル移籍後初のアルバム、いい意味で力の抜けた曲が多い。ブルーハーツ初のオリコン1位を獲得。
 
好きな3曲
 
「首つり台から」
 
「恋のゲーム」
このアルバムにおける"面白いブルーハーツ"のど真ん中がこの曲。
 
「情熱の薔薇」
アルバムの核。
正直このアルバムはそれほど好きではないのだがこの一曲があるお陰でアルバムがピシッと緊まってる。サビが最後だけにしかないという珍しい曲。
 
好きなフレーズ
どっかの坊主が 親のすねかじりながら 
どっかの坊主が 原発はいらねえってよ
どうやら それが新しい流行りなんだな
明日は一体何が流行るんだろう
「イメージ」より
 
誰が勝ったのか 誰が負けたのか 
恋のゲーム 恋のゲーム 恋のゲーム
「恋のゲーム」より
 
3.141592...
 
なるべく小さな幸せと
なるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう
「情熱の薔薇」より
 
見てきたものや 聞いたこと
今まで覚えた全部  
デタラメだったら面白い 
「情熱の薔薇」より
 
 
 
5th album
「High kicks」
 
 
 
 
 
★★★☆☆
1991年12月21日リリース
 
楽しいブルーハーツ、面白いブルーハーツ、カッコいいブルーハーツ...
いろんなブルーハーツが一枚に収まってる作品、悪く言えば平均点。
 
好きな3曲
 
「あの娘にタッチ」
愉快なブルーハーツ
 
「泣かないで恋人よ」
"諦めきれぬ ことがあるなら 諦めきれぬ と諦める" 
ブルーハーツの中でも1.2位を争う好きなフレーズ
 
「TOO MUCH PAIN」
叙景詩な叙情詩
甲本ヒロト以外歌えない曲。
 
好きなフレーズ
泣かないで恋人よ なにもかもうまくいく 
「泣かないで恋人よ」より
 
諦めきれぬ ことがあるなら 諦めきれぬ と諦める 
「泣かないで恋人よ」より
 
はみ出しものたちの 遠い夏の伝説が
廃車置場で錆びついてら
「TOO MUCH PAIN」より
 
僕ら必死でわかりあおうとしてた
歯軋りをしながら
「TOO MUCH PAIN」より
 
つめこまれてきたね 意味のないガラクタだけ
「TOO MUCH PAIN」より 
 
6th album
「stick out」
 
 
 
 
★★★★★
1993年2月10日リリース
移籍後のEAST WEST JAPANにおける最高傑作がコレ。再生ボタンを押した途端押し寄せてくるパンクパンクした曲の数々。素人考えだが、このあたりからメッセージ性を放棄した曲が多く見られるようになる。そしてこの頃日本が初参加したPKOを皮肉る曲が数曲ある。
 
好きな3曲
 
「旅人」
歌詞とメロディの絡みが最高。
空襲や水爆?の様子がpvに使われており、プルトニウムという単語が頻出するがそういう類のメッセージ性は特にない。
疾走感のある曲。
 
「月の爆撃機
イントロが100点。
 
「1000のバイオリン」
CM王 THE BLUE HEARTSのベストCMソング。"1001のバイオリン"もあるが自分は1000のバイオリンのが好き。
 
好きなフレーズ
何か理由がなければ 正義の味方にゃなれない 
「すてごま」より
 
夢が叶うその日まで 夢見心地でいるよ 
「夢」より
 
死んだらそれでさようなら
安っぽいヒロイズム 嫌いじゃないもんな
「やるか逃げるか」より
 
声のデカい奴が笑う
「台風」より
 
 
嘘は許さない 嘘は許してる
嘘に泣かされて 嘘で笑ってる
嘘は許さない 嘘は許してる
嘘に傷ついて 嘘でほっとしてる
 
「うそつき」より
 
想い出は熱いトタン屋根の上
アイスクリームみたいに溶けてった
「1000のバイオリン」より
 
 
7th album
「dug out」
 
 
 
"寄り添うブルーハーツ"
 
★★★★
1993年7月10日リリース
 
前作を作る際に曲を書いたところ全部で20数曲になったので「アップテンポ、スローバラードと、2枚アルバムを作ろう」ということになり、出来たのがstick outとこのdug outである。なので全体的に穏やかでサウンドもポップス寄りになっている曲も少なくない。
そしてこのアルバムで真島昌利の書く詩の世界観が頂点に達する。正直歌詞カードを見ると歌詞は支離滅裂かも知れないが、聴いてる間 確かに頭の中には彼の書いた詩の世界が広がってる。そして、「なんか適当に曲流すか」って時にこれを手にしてることが多い。
 
好きな3曲
 
「手紙」
作詞家 真島昌利の最高傑作。
天才のそれ。
 
「雨上がり」
6月の雨上がりに聞きたい。
 
「夕暮れ」
ギター甲本ヒロトの数少ない作品。
これこそ寄り添うブルーハーツ
 
好きなフレーズ
 
 
背骨で聴いている ハチミツの雨
ひまわり畑で ラジオが歌うよ
「手紙」より
 
彼女のキスにおぼれる 僕の幻を笑え
「トーチソング」より
 
雨上がりの夏の夕暮れ
まるでサイダーそのままサイダー
 
「雨上がり」より
 
過ぎて行った時が
まるで永遠に続く
土曜日の夜ならば
今日は何曜日なんだろう
 
「年をとろう」より
 
今夜 5月の風のビールを飲みに行こう
「夜の盗賊団」より
 
一体何が本当なのか 見てきたような顔をして 作り話で 盛り上がろうぜ
「ムチとマント」より
 
白く雪のように舞い落ちるもの
茶店で見た生クリームか
ヨーグルトなら 積もればいいのに
 
「パーティー」より
 
last album
「PAN」
PAN
2010-02-24
 
 
 
 
★★☆☆☆
1995年7月10 日リリース
 
解散を決めていたブルーハーツだが、"契約が残ってた"という理由でやむなく作ったアルバム、リリースは解散後である。
各々が持ち寄った曲を寄せ集めたアルバム。アルバム単位で聴くことはほぼない。
 
好きな曲
「もどっておくれよ」
美しいサウンドとしゃがれ声の真島の歌が絶妙にマッチしてる、解散するTHE BLUE HEARTSへ向けた曲。ひたすら美しい。
 
「花になったかまきり」
ドラム梶くんの曲。
南国 って感じ
 
「歩く花」
ヒロトっぽい
 
好きなフレーズ
 
もどっておくれよ こぼれたサイダー
「もどっておくれよ」より
 
いってしまった夜 いつもの嘘だと
思って1人で ずっとテレビ見てた
「もどっておくれよ」より
 
恋をしていた僕は3mくらい
君をなくした僕は今じゃ2cmくらい
「休日」より
 
何もかもいろんなこと お日様のせいにして 僕はぼうっとしてる
「休日」より
 
ありがとさん
「ありがとさん」より
 
 
以上です。
ブログ書く際に全曲聴き直したんですが、ブルーハーツって愛する人を"あなた"って表現することが多いですね。
 
おしまい。
 
興味を持った方はまずコレ↓を
SUPER BEST
1995-10-16
 
 
 
 
 
 

ハルカトミユキ『溜息の断面図』(byネノメタル)

溜息は進化する
-ハルカトミユキ「溜息の断面図」の二重構造性

溜息の断面図(初回生産限定盤)

溜息の断面図(初回生産限定盤)

 

www.youtube.com

 

1.『溜息の断面図』とは
前作の 『Loveless/Artless』は、リード曲「早すぎる電車に乗って」
(“光れ”)スタートし、ラスト曲で「今会いに行くよ」(“夜明けの月”)と告
げられるループ性の高い曲構成になっている。それは日々生活していく
中で心のどこかに持っている「欠けている(less)要素」をどこか引きず
りつつも「奇跡」「信念」「運命」といったパラダイムを手に入れ、自
らが「愛する人」の足元を照らし続ける光となろう、と決意するまでの
過程が描かれた、いわば早朝から夜明けまでの一人の生活(life)にフォー
カスが当てられたコンセプト・アルバムにカテゴライズされるものであ
る。
では、その 『Loveless/Artless』からわずか10ヶ月というインターバ
ルでリリースされたハルカトミユキ3作目のオリジナルアルバム 『溜息
の断面図』とは一体どのようなアルバムなのだろうか。前作同様にリー
ド曲「今日は何曜日」(“わらべうた”)という問いかけからスタートし、
「永遠に今日を探して」(“種を蒔く人”)と言う言葉で締め括られる、や
はりこちらもループ性を保つ曲構成となっている。 ただこの2作の決定
的な違いは、一人の主人公に焦点を当てた前作とは異なり、今作では12
曲中それぞれの世界で生きている主人公がふと漏らした溜息の中身が12
通りの様々な感情で彩られ、コンセプト・アルバムというよりどちらか
といえばオムニバス・アルバムに近いものとなっている。とは言え、こ
れは従来のオムニバス形式のアルバムにありがちな、一作品ごとに物語
が完結した “短編小説集”的な枠に留まってはいるわけではない。
それどころか全ての曲のストーリーが進んでいくと同時に全体のテーマ
ある核(コア)部分が曲中に存在しており、かつその核部分のストーリー
も段々と進化していく、という二重構造になっているのである。その核
の部分とはもちろんこのアルバムのテーマ「溜息」である。

 

2. 「溜息」の正体
その溜息の正体を具体的に検証してみよう。二曲目“Stand Up, Baby”
では「か弱く可愛い馬鹿」を演じなければ上手く渡っていくことのでき
ない世の中の現状に立ち尽くしてふと鳴らす舌打ちのような溜息が聞こ
えてくる。続く “終わりの始まり”ではそこからさらにエスカレートして
いった怒りの感情の極致に達した人の「もういいよ」と言う半泣きまじ
りの溜息が聞こえてくる。
さらに想像を巡らせば、このアルバムには過去楽曲に出てきた登場人物
の溜息も聞こえてくる。例えば“Sunny, Cloudy”に出てくるのはかつて
現状を打ち破ろうと新たな「世界」に飛び出し、その後「光」を見出そ
うともがきつつも未だ触れられない我々リスナーがよく知っている“あ
の女の子”による、夕立前の曇り空のような溜息が聞こえてくるし、“イ
ンスタント・ラブ”ではその割り切った恋愛関係に甘んじつつもどこか
感じてしまう空虚感とともについて出るその溜息はかつて “tonight”と
いう曲中で出てくる「あんたみたいな女」のことを指すのだろう。さら
に、ずれ落ちる眼鏡を直しながら必死にオンライン上で誹謗中傷に明け
暮れる青白きゾンビはかつて “プラスティック・メトロ ”と言う名の地
下鉄で男、女に混じって発見されるその一人(?)がネット疲れからかつ
いぞ漏らしてしまったうめき声にも似た溜息なのかもしれない。


3. 進化する「溜息」
次に、このアルバムの中で主人公達は歌詞のどの部分で溜息をつくのか
を検証したい。
以下1-6はその溜息まじりに呟かれると予測される歌詞の一部である
1.「子供のふりしなきゃここじゃ生きていけないこと」
(“Stand up, Baby”)
2.「子供にも大人にももうなれない僕らの歌」(“宝物”)
3.「大人になっても従うばっか」(“近眼のゾンビ”)
4.「大人ってことばを履き違えた子供だから」(“インスタント・ラブ”)
5.「今の私には死ぬ価値すらない」(“嵐の舟”)
6.「最後の祈りを次の誰かがすくって捧げる」(“種を蒔く人”)

本アルバム内で1→6の順番に曲が進行していくわけだが、注目すべきは
その溜息まじりに呟かれる子供、大人などのフレイズの持つニュアンス
が徐々に変化している点である。1-2の中の「子供」というのは、主人
公はまだ「子供としてもカウントされ得る大人」であり、彼らの中に依
然内在している子供像を指す。 次に、3では主人公が既に大人になった
ことを自覚しており、1-2の意味での子供像はその大人の中には既に内
在していない。次に4の意味する「子供」はこれまでの意味での子供像
ではなく、あくまで比喩的な意味での「子供のようなメンタル」を指し
ている。さらに5からはもはやそのような4のメンタルな意味での子供
像ですら消え失せ、大人としての自己に向き合った死生観すら示唆され
ている。
最後に6では大人、というよりも人として生きることの役割を終え、
生を全うしてからの次の世代に生きる後継者としての「次の誰か」に対
する期待を込めた祈りが捧げられるものとなっている。ここでの「次の
誰か」は巡り巡って最初に述べた1-2の「子供像」に近いものになるの
だろう。このようにアルバム楽曲を聴き進んでいくうちに12人もの溜息
ストーリーに触れるだけでなく、聴き手は同じ「大人、子供」という表
現でも随分とそのニュアンスが変化して行き、溜息という概念もだんだ
んと子供から大人、さらにその先の未来へのそれと変化していることも
感じることができるのだ。
まさにこのアルバムは曲のストーリー、と溜息の進化、とで二重の側
面に堪能できる二重構造の作品なのである。

 

4. 溜息「断面図」の作り方
ここではその「溜息」の「断面図」とはどういう事なのか考察してみよ
う。そもそも「溜息」という言葉は英語では"sigh"と綴られ、形や実体
などが伴わない水や空気のようなものなのに、なぜかdog(s)、cat(s)、
octpus(es)、baby(-ies)などの生命体と同様に「数えられる名詞」に属
する極めて不思議な単語なのである。しかもそんな不思議な溜息の「断
面図」というのは一体どういうことなのだろうか。
だが、このアルバムを聴き込んでしまった今となっては容易に想像でき
る。「溜息」は人の口から発せられた瞬間、生まれ落ちる生命体、いわ
ばわらべ(BABY)のようなものなのだ。そして人が子供から大人として
成長するとともにその都度発せられるその溜息もまた進化していき、や
がては次の世代への橋渡しとなる新たなる種のような溜息を生み出して
いく。
そんな12人の中で様々な形で存在している溜息という生命(life)は一人
の詩人によって「ことば」というナイフで真っ二つに切り取られ、もう
一人の奇人によってその表面が様々なカラーのペインティングで彩られ
る。そんな断面図の数々は、ここ20年以上今だに世をのさばり続ける
カラオケ対応インスタントポップ・ミュージックやパフォーマンスあり
きのアイドル合唱曲等にずっと翻弄され続けていて「いい曲をガチで歌
う」アーティストに出会う喜びを忘れていたことに気づかされる珠玉の
名曲達でもあるのだ。このアルバムの破壊力はそんな長い間忘却してい
た我々の記憶の隙間を埋めるには十分なインパクトがあり、「(マンネ
リ化したミュージックシーンの)終わり(から)の(新たな革命の)始
まり」に値する、という結論にてこの長い長い本レビューを締めくくり
たい。


付記; と、ここまで書いて「これは果たして一般的なamazonレビュー
としてはどうなのか。」という疑問が自分の中でも正直あるのは事実で
ある。なにせ、あまりにも長すぎるからだ(笑)。でも、そうせざるを
得なかったのだ。たかだか2-3行の感想では自分お気持ちが収まりきれ
なかった、それぐらいの大名盤なのである、歴史的名盤なのだ。

以下のこれまで約50年にわたる名盤ラインアップの一部を見てみよう。

1967 the Beatles 『sgt. pepper's lonely hearts club band』/ The
Velvet UndergroundVelvet Underground & Nico』etc...
1977 David Bowie 『Low』/ Television 『Marquee Moon』 /
Sex Pistols 『Never Mind The Bollocks 』etc...
1987 New OrderSubstance』/ U2 『Joshua Tree』etc...
1997 Radiohead 『OK computer』/ The Chemical Brothers『Dig
Your Own Hole』/ Björk『Homogenic』 etc...
2007 RadioheadIn Rainbows』/ M.I.A. 『 Kala』etc...
2017 ハルカトミユキ 『溜息の断面図』←NEW!

偶然にも7のつく年は大名盤豊作の年である。上記の名盤以外でも洋邦
問わずもっと多くの様々な名盤アルバムが挙げられることだろう。でそ
して今年はその7のつく2017年。この年に ハルカトミユキ 『溜息の断
面図』はこれら大名盤の数々に全く引けを取らない名盤に属すると断言
して良い。『sgt. pepper's lonely hearts club band』から50年ぶり、
『OK computer』から20年ぶりの大名盤がここ日本で誕生した事にテ
ンションが上がってしまい、これに敬意を評し、これだけの長文レビュー
を書かざるを得なかった、ということでご了承願いたい。

では最後に、一言
このアルバムを手にすべき全世界60億人の溜息の断面図達よ

光れ

そして

ハルカトミユキよ、

光れ、もっと光れ

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Mr.Children『重力と呼吸』(byすいとんbot)

Mr.Children『重力と呼吸』 トイズファクトリー 2018年10月3日発売
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[Mr.Children『重力と呼吸』CM]
[SPOT-A]


[SPOT-B]

[SPOT-C]


【収録曲】
①Your Song ★★★★
②海にて、心は裸になりたがる ★★★★
③SINGLES ★★★★★+1
④here comes my love ★★★★★
⑤箱庭 ★★★★
⑥addition ★★★★
⑦day by day(愛犬クルの物語) ★★★★★
⑧秋がくれた切符 ★★★★
⑨himawari ★★★★★
⑩皮膚呼吸 ★★★★★
総評:★★★★

 本作はMr.Childrenの19枚目(事実上17枚目)のオリジナルアルバムである。前作『REFLECTION』から3年4ヶ月ぶりとMr.Children(以下ミスチル)のアルバム発売の間隔としては過去最長となった。なお、アルバムタイトルが漢字・平仮名表記になったのは1996年の『深海』以来22年ぶり。
 本作の詳細に関しては発売13日前の2018年9月20日0時まで解禁されなかった。
[解禁前の表示]
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 詳細解禁の3日前には公式HPに『10691059』という暗号(上の画像(ネットからの拾い画像)を参照)が表示され、詳細解禁までのカウントダウンが行われていたが、Twitterの我がTLではその暗号の意味について様々な憶測が飛び交っていた。例えば「10月6日からツアーが始まりそれは全59公演行われる」であったり「10曲69分、10曲59枚の2枚組」など様々飛び交っていたが、いずれも不正解だった。私含め、誰一人として『10691059』がアルバムタイトル『重力と呼吸』を意味しているとは予想できなかった(というか予想不可能)。
 本作は全10曲、収録曲48分とかなりコンパクトな内容となっている。前作発売後に発表された新曲のうちヒカリノアトリエ」「忙しい僕ら」「お伽話」「こころ」は未収録となり、コンセプトアルバムとなっている。そして、全体的に王道から脱したかつてないほどの”スルメアルバム”となっている。・・・というのも初めて本作を聴いた際は内心「ん?」と感じ、イマイチピンと来なかった。が、しかし聴けば聴くほど、本作の魅力を感じるようになり、発売から1週間足らずで大好きな作品となった。

①Your Song
[Mr.Children「Your Song(MV)」]
 
[Mr.Children「Your Song(Original Story)」]

 2018年9月20日のアルバム詳細解禁と同時にMV(Short ver.)が解禁された。ネット上でも同じ意見の書き込みがあったが、歌い出しやアウトロ部分の桜井和寿のシャウトは何だかONE OK ROCKのTakaを彷彿とさせる印象を受けた。調べてみると2017年4月23日、ミスチルとワンオクは対バンをしており、その後、桜井、鈴木英哉、Takaが3人で食事をした際の写真が公開されている。
[食事会の際のスリーショット]
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 ズラズラと述べてしまったが、このようにMr.ChildrenONE OK ROCKの交流もあり、本当に同バンドから影響を受けているのかもしれない。そして楽曲自体はそこまでキャッチ―ではなく、バンドサウンド主体にシンセサイザーが加わっている印象だ。アルバム全体と同様、初めて聴いた際のインパクトはそこまでなかったが、聴けば聴くほど味が出てきて、気づいたらハマっていた。この曲のタイトルは同時発売の全曲詩集のタイトルにも起用されている。
 MVは東京日比谷のビルの屋上で撮影されたと言われているが、桜井は終始ハンドマイクではなく、スタンドマイクで歌っており、2002年の『IT'S A WONDERFUL WORLD』期以前の彼を彷彿とさせる。
 歌詞に着目するとタイトルの如く、大切な人に宛てた内容になっている。「君と僕が重ねてきたたくさんの日々は今となればこの命よりも失い難い宝物」という歌詞は、大切な人と別れた直後のリスナーの方が聴くと本当に涙が溢れそうになると思う。
 そして「時に窮屈そうに囚われている考えごとになんてことのない一言でこの心を自由にしてしまう」という歌詞も王道から脱した本作の雰囲気にもリンクしている気がする。
 アルバム発売のインタビューにて桜井は今回はあえて歌詞には力を入れていないという主旨の発言はしていたが、やはりそれでも印象的な歌詞はあり48歳となった今も天才ポエマーであると思う。

②海にて、心は裸になりたがる

 バンドサウンド主体のポップロックナンバー。”ポップロックナンバー”とは記載したが、「youthful days」「箒星「擬態」「fantasy」ほどの王道さは見られない。ただ、「海にて、心は裸になりたがる」というタイトルの通り、曲全体からは開放感や爽やかさが漂っていて聴いていて心地良い。ちなみに1回ドライブしながら聴いてみたが、かなりマッチしていて最高であった。さらにはラスサビでは転調しており本当にリスナーの興奮はこの曲の中ではMAXに到達すると思う。
 歌詞に目を向けると教訓的な内容のフレーズが目立っている。「重箱の隅をつつく人、その揚げ足をとろうとしてる人、画面の表層に軽く触れて似たような毒を吐く」は何だかTwitterの”炎上”騒動を指している歌詞に感じるのは私だけではないはず。
 そして一際印象的だったのが、「対照的と思っていても実はあちこちが似ているよ。今心は裸になりりたがっているよ」「嫌なやつだと考えていても実はちょっぴり気になっているよ。今心は裸になりたがっているよ」という部分。「あの人と自分は何だか合わない」と私自身生活を送っていると思うことがあるのだが、そんな気持ちに対する教訓的なメッセージのように感じられる。

③SINGLES
[Mr.Children「SINGLES(MV)」]


 テレビ朝日系ドラマ『ハゲタカ』主題歌に起用されたが、ドラマ放送時では最後までフル解禁や先行DL配信はされず、アルバム発売までお預け状態となった。ただ今思うとそれで良かったと思っている。アルバム発売後、初めてフルで聴いて本当に感動した。往年のミスチルらしさ溢れる王道ポップと実験的サウンドが融合している。1番は前作『REFLECITON』でいうところの「fantasy」のようなミスチルお得意の王道ポップスが展開されているが、2番のサビでは一部ボーカルの加工が為されている。・・・というのも桜井の歌声にさらに桜井の歌声が被せられている。ここはネット上で賛否両論となっているが、斬新で私は好きだ。そして2番のサビ後の間奏ではドラムやベース、キーボードが目立っていて、迫力満点。何だか東京ディズニーランドのビッグサンダーマウンテンというアトラクションを楽しんでいるような気分に近い(例えがわかりにくい)。Cメロ部分では桜井のシャウトが響き渡っていて、これもまた中毒性があると思う。
 この曲は恋人と別れた主人公の心情が描かれている。タイトルの「SINGLES」は孤独となっている主人公とその相手を指したものだろうか。
 歌い出しは回想シーンから始まっている。「君は嬉しそうに、しばらく空を見ていた。東京タワーの向こうに虹が架かって。で、そのあと僕の頬にキスした」とここだけ聴くと本当にロマンチック。
 「僕は意外といろんなことを覚えてて戻れないことよくわかってたって何処かに面影を探してしまう」と主人公はなかなか相手に対する未練をかなり引きずっている様子。
 「悲しいのは今だけ。何度もそう言い聞かせ、いつもと同じ感じの日常を過ごしている」「どんな音楽も痛快と話題の映画も君の笑顔には敵わないってわかった。ねぇ君はまだあの虹を覚えてる?」というフレーズはリスナーの私までも胸が締め付けられてしまう。
 ラスサビでは少しでも主人公が前向きに考えようとしているのが窺える。「楽しいのは今だけ。自分にそう言い聞かせ、少し冷めた感じで生きる知恵もついたよ」と主人公は言っているが、それでも何だか切なくてたまらなくなる。片想いだった方も含め、失恋したリスナーの方はこの曲を聴けば感傷に浸れるんじゃないかと思われる。私自身、本作『重力と呼吸』で最もお気に入りの楽曲かもしれない。

④here comes my love
[Mr.Children『here comes my love』シングルジャケット]
ダウンロード (5)
[Mr.Children「here comes my love(Music Short Film)」]


  2018年1月19日にミスチル7作目の配信限定シングルとしてリリースされた。この曲はフジテレビ系ドラマ『隣の家族は青く見える』主題歌として起用され、同ドラマの初回放送の翌日に配信リリースとなった。私自身も購入したが、本当にリピートが止まらなかったし、それから9ヶ月近く経過した現在も好きな1曲である。
 本作はロックバラードナンバー。イントロ~1番冒頭まではピアノ中心のアレンジとなっているが、その後、バンドサウンドも目立ち盛り上がっている。2番になるとエレキギターの音色もさらに目立ち、Cメロ後の間奏部分ではギターソロの部分も存在する。小林武史のピアノアレンジが目立っていた”コバチル”期とは違う魅力が感じられる(”コバチル”期も好きですが)。
 そして桜井のボーカルも圧巻。高音も綺麗に出ていて、本当に心地良すぎる。明らかに2012年の『[(an imitation)blood orange]』の頃より声量が増しているし声も透き通っている。
 この曲は主人公と相手の運命的な出逢いがテーマになっている気がする。最も印象に残った歌詞はCメロの「あって当然と思ってたことも実は奇跡で数え切れない偶然が重なって今の君と僕がいる」という部分。・・・何だかハッとさせられる。恋愛に限らず、今自分自身が何気なく過ごしているこの”ありふれた日常”も奇跡の連続によって神様から授かった恩恵なのかもしれない。そう思うと1日、1日を大切にしたいと思う。この曲はそう思わせる意味も込めて書かれた1曲なのかもしれない。

⑤箱庭 
 ブラスアレンジが利いた1曲で、前作『REFLECTION』収録の「You make me happy」をさらにメロディを明るくしたようなイメージだろうか。そしてサビのメロディの一部が「ヒカリノアトリエ」に近似しているように感じる。何度聴き直してもどことなく似ている気がしてならない。そして、この曲のサウンドは旅行をしながら聴くと絶対ピッタリだと思う。今度、機会があれば是非試してみたいものだ。
 しかし、明るいメロディとは裏腹に歌詞はそこまで明るくない。恐らく失恋ソングだろう。序盤から「ヒリヒリと流れる傷口から染み出る赤い血の色の悲しみが胸にこぼれる」「ジリジリ寂しさは現実味帯びてくる。気づかぬふりはできない。でも認めたくない」インパクト溢れるフレーズから始まっていて圧倒される。
 「誰のための愛じゃなく、誰のための恋じゃなく不器用なままに僕はただ君を大好きでした」という部分を聴いていると本当に涙が頬を伝いそうになる。さらに終盤では「誰のための愛じゃなく、誰のための恋じゃなく、乱暴なまでに僕はまだ君を好きで残酷なまでに温かな思い出に生きてる。箱庭に生きてる」という歌詞となっており本当に生々しい表現だ。主人公のようになかなか相手の事は忘れられないものだと思う。

⑥addiction
  シンセサイザーによるイントロから始まるロックナンバー。メロディも終始シリアスで、中毒性をはらんでいる。桜井の歌い方も鬼気迫るものを感じる。サビでは「more more more!」というフレーズが多く、印象に強く残る。ラスサビの「今日は大人しく出来ても」の「出来ても」の歌い方が1~2番のサビの歌い回しと異なっていて、この部分を聴く度にドキッとしてしまう。
 歌詞もかなり意味深。インターネット上でもかなり言われているが、薬物中毒者の曲のように感じてしまう。「どんなに言い聞かせても変わらぬものがあるよ。欲しくてたまらないよmore more more!」「上級者は誰にも感づかれぬように上手いことやってるらしい。あちら側の自分とここで生きる自分を冷静にコントロールして」「今日は我慢できてもまた手を出してしまうだろう。決して満足なんかできないよ more more more!」はもう薬物中毒者の心の叫びにしか思えない。
 仮にこの曲が薬物中毒者の心の叫びがテーマだとすれば、本作『重力と呼吸』に収録した意図が気になるところだ。あくまでも推測に過ぎないが、人間の性を描いているので本作のコンセプトにも当てはまっていると判断され収録に至ったのかもしれない。
 それにしてもこの曲も控えめに言って本当に格好良く聴けば聴くほど虜になってしまいそうになる。

⑦day by day(愛犬クルの物語)

 タイトルの一部の「愛犬クルの物語」というキーワードは本当にぶっ飛んでいる。2018年9月20日にアルバム収録曲のタイトルが発表された際はあまりに遊び心の利いていたからか、「JEN(鈴木英哉)がボーカルを務めてるんじゃない?」とインターネット上で議論を巻き起こしていた。・・・しかし、実際にフタを開けてみると桜井がボーカルを担当している良質ポップ。サビ以外のメロディもとにかくキャッチ―で聴き心地が抜群。アルバムは1周目ではなかなかそこまで良さがわからなかったが、この曲は1周目から気に入った。本作『重力と呼吸』発売まで全く解禁されていなかった新曲群の中では最初にハマった曲だと思う。
 終始バンドサウンド主体だが、可愛らしい要素もある。某雑誌の特集ページには、この曲について「最高にチャーミングなロックンロール」と述べられているが、まさにその通りである。この曲のサウンドを聴くと本当に疲れも吹っ飛んでしまいそうだ。特にサビの「So day by day」の部分は気持ちいくらいに高音が出ているのがたまらない。
 この曲はその名の通り、主人公の飼い犬”クル”について描いた曲で、歌詞カードを読むだけでもクルが可愛いのが伝わってきて自然に顔がほころびそうになる。「どんな時だって嬉しそうにその尻尾を振る」「扉開く度、駆け寄り舐めている」という部分からも人懐っこい性格なのが伝わる。
 クルは主人公と妻の間になかなか子供が生まれず、その代わりとして飼ったようだ。夫婦はクルと共に幸せな日々を送っていたようだ。ただ、歌詞中の「綺麗だったあの女性(ひと)がいなくなってからも」というフレーズがなかなか意味深だ。何となくだが主人公の妻は亡くなってしまったと思われる。「今もソファに残っているあの柔らかい膝の上の温もり。夢の中思い出すように深く眠っている」とクルの様子を描いた歌詞が本当に切なく、こちらまで感情移入してしまいそうになる。
 「箱庭」と言い、この「day by day(愛犬クルの物語)」と言い、ポップなメロディに切ない歌詞を乗せるのは桜井の職人芸とも言えよう。

⑧秋がくれた切符

 本作『重力と呼吸』収録曲で最もしっとりとしたバラードナンバー。アルバムの流れにおいて「箸休め」的ポジションにメロディはタイトル通り秋のイメージで、10~11月の夕方にこの曲を聴きながら散歩をすると本当に幸せな気分になると思う。
 曲中ではストリングスも目立っていて、この音色を聴くと秋のひんやりとした空気を連想してしまう。本当に風情を感じる。
 この曲は恋人同士を描いた曲。歌い出しの「風の匂いもいつしか秋のものになってた。カーディガン着た君の背中見てそう思う」という部分も本当に微笑ましくなる。
 話は脱線するが、女の子のカーディガンを羽織った姿は控えめに言って大好きである。秋冬のシンボルと言っても過言ではない。本記事を執筆した時季からは女の子のカーディガン姿をどんどん見ることが出来るので目に焼き付けておきたい。
 さて、カーディガンの話はこのぐらいにしておく。サビの歌詞では「神様が僕らにくれた何かの切符みたいだ」という歌詞が何度かあるが、これは何の切符なんだろうか。歌詞中でははっきりと言われてはいないが、「秋の空気は恋人同士の関係を発展に導いてくれる」という意味だと私は勝手に解釈している。・・・というのも秋の空気を嗅ぐと何故か恋がしたい衝動に駆られることがある。つまりこの「切符」はそれに関連していると想像している。

⑨himawari
[Mr.Children『himawari』シングルジャケット]
2017-07-15-5
[Mr.Children「himawari(MV)」]


[Mr.Children「himawari(Live ver.)」]

 2017年7月26日にミスチル37枚目のシングルとしてリリースされた。ちなみに映画『君の膵臓を食べたい』主題歌として書き下ろされた1曲である。またタイトルに表記はされていないが、アルバム制作にあたり再録している。アルバム版の方がバンドサウンドが強くなっているが、桜井の歌い方はシングル版より優しくなっている印象。
 この曲はロックバラードナンバーでシングル発売時は「2010年代ミスチルを代表する曲になるんじゃないか」などとインターネット上で大絶賛されていた。バンドサウンドとストリングスの調和、切なさとキャッチ―さが両立したメロディが大好評だった。次に述べることはアルバム版、シングル版に共通することだが、Cメロ~ラスサビの盛り上がり方は王道中の王道で、本当に秀逸。Cメロの「邪にただ生きてる」の「る」の力強いロングトーンからの重厚なギターソロ。その後の「おおおだから」というラスサビの入り方は完璧。そして、ラスサビの「嵐が去ったあとの陽だまり」の「陽だまり」の部分の盛り上がり方、そして最後の「そんな君を僕はずっと」の「ずっと」の部分のロングトーンも初めて聴いた際は素晴らしすぎて突沸してしまった。
 この曲は恋人を亡くした主人公の心情が描かれていて、書き下ろし曲ともあり映画『君の膵臓を食べたい』の内容にも沿っている。
 私が一番ドキッとした歌詞はCメロ全体。「諦めること。妥協すること。誰かに合わせて生きること。考えてる風でいて実はそんなに深く考えていやしないこと。思いを飲み込む美学と自分を言いくるめて実際は面倒臭いことから逃げるようにして邪にただ生きている」の部分はほとんど私自身ではないか(知らんがな)。いや、私に限らず、この部分が心に突き刺さったリスナーの方も多いのではないか。・・・というか多くの日本人に当てはまりそうな気がする。このような桜井節は大好物である。本当にサウンド、歌詞両面で貫禄のある大名曲だと思う。

⑩皮膚呼吸

 2017年にNTTドコモ『25周年キャンペーン』CMソングとして起用され「未発表曲DEMO」と公開された楽曲の完成形。当然と言えば当然だが「未発表曲DEMO」ほど淡泊ではなく程よく味付けがなされている印象(ただ、アレンジはバンドサウンド主体)。
[NTTドコモ『25周年キャンペーン』]
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 この「皮膚呼吸」は本作『重力と呼吸』店着日(2017年10月2日)からネット上では絶賛の嵐だったが、私自身はこの日やその翌日の時点ではその良さが正直判らなかった。しかしフライングゲット(以下フラゲ)からの日数が経過し聴けば聴くほど、自分の中での印象は鰻上りとなり、フラゲから1週間弱で大好きな1曲となった。ネット上でも同様のコメントがされていたが、サビの盛り上がり方はアルバムと同年発表のBank Band with Salyuの楽曲「MESSAGE‐メッセージ‐」に似ている気がする。
[Bank Band with Salyu「MESSAGE-メッセージ‐」]

 皆さんもご存知の通り、タイトルの一部がアルバムタイトルと重複している。もうこの時点でアルバムのテーマを凝縮した1曲と想像してしまう。
 歌詞は2018年現在の桜井の心境が吐露されている。歌い出しでは「と、ある日こめかみの奥から声がして”それで満足ですか?”って尋ねてきた」という歌詞があるが、それに対して「このまま変わっちまう事など怖がらずにまだ見ていたいのに…」と綴っている。ミスチルのアルバムカラーはそれぞれ異なっている。2010年代だけ切り取ってみても『SENSE』『[(an imitation)blood orange]』『REFLECTION』、そして本作『重力と呼吸』はそれぞれ雰囲気がバラバラである。これは「皮膚呼吸」の上記の歌詞のようにミスチルは”変化を恐れないバンド”だからなのかもしれない。ミスチルはデビューから25周年を過ぎても安定を求めず、常に冒険している。この曲を聴くと『重力と呼吸』は収録曲数こそは少ないが、歌詞の内容に着目すると変化を恐れないミスチルの渾身の意欲作というのがヒシヒシと伝わってくるし、今後の活動も本当に楽しみになる。

◯まとめ
 記事冒頭では触れなかったがアルバムタイトル『重力と呼吸』は短縮すると『重吸』。本作は19枚目であることから、その省略形『重吸』と合致する。これが意図的なものか偶然なのかは定かではない。ちなみに9枚目のアルバム『Q』というタイトルも特に意味はないらしいが、今回はどうなのか地味に気になってしまう。
 本作は10曲と曲数や収録時間が少ない分、前作『REFLECTION』よりも気軽にリピートすることが出来る。そして、全体的にあっさりとしたアレンジなので最初のインパクトこそは少ないが、アクが少なく聴きやすい作品だと思う。次のアルバムも今から楽しみである。
 さて、今回の記事はここまでとする。ちなみに本作の詳細が解禁される前に予想記事も書いたが、結果的に大外れとなった。駄文ですが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。見出し画像はAmazonのサイトより引用いたしました。

 

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