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THE BLUE HEARTSの全アルバムを詳細レビュー(by pnk)

自分は中学時代に尾崎豊と出会った。
反抗期真っ只中の中学生がハマるありがちなパターンだ。
そして中学高校とずっと好んで彼の音楽に触れ、歌詞に共感しては魂を震わせたりもしていた。
彼の誕生日になれば渋谷へ行き、命日には亡くなった彼のお墓まいりにも行くくらいには彼に心酔していた。あの頃の自分は、信者と言っても過言ではないかもしれない。
 
 
元々音楽を聴くのは好きだったが、高1のときに"歴代ミリオンシングル"を全曲聴いたことがきっかけで90年代、そしてそれ以前の音楽を中心に聴くようになり、それから本格的に音楽(聴く方)にのめり込むようになって行った。
 
  
 
そして出会った。
 
 
長らく大好きだった尾崎豊を越えるアーティストに。
 
 
 
 
メンバー
 
 
 
1985年2月結成 
1987年5月、シングル「リンダ リンダ」でメジャー・デビュー。1995年6月1日のラジオで解散を発表。ラストアルバム「PAN」の発売と共に解散。日本におけるパンクロックの立役者とも言われており、後のロックシーンに多大な影響を及ぼした。解散後、甲本 真島の2人はTHE HIGH LOWSの活動を経て現在はザ クロマニヨンズで活動中。
 
 
彼らの作る曲は楽しく、面白く、そしてとにかくカッコ良かった。
 
 
 
 
 
1st album
 
 
 
"最高にカッコいいブルーハーツ"
 
★★★★★
1987年5月21日リリース
 
濃すぎるメッセージ、圧倒的な疾走感。
若い彼らの衝動が詰まった一枚。
全アーティストの全作品の中で1番好きなアルバム。
 
好きな3曲 
「終わらない歌」
"終わらない歌を歌おう"というフレーズが繰り返される曲、とてもキャッチー。
 
「少年の詩」
まさに少年の詩。
サビ。
 
言わずと知れた名曲。
リリースから32年、老若男女問わず知ってる"本物の名曲"と言いたい。
 
好きなフレーズ
 
どこかの爆弾より 目の前のあなたの方が
震えるほど 大事件さ 僕にとっては   
「NO NO NO」より
 
大人たちに褒められるような
バカにはなりたくない     
「少年の詩」より
 
生きるということに 命をかけてみたい
「世界のまん中」より
 
ドブネズミみたいに 美しくなりたい
リンダリンダ」より
 
 
2nd album 
「young and pretty」
 
 
 
 
 
★★★★
1987年11月21日リリース
 
一見荒々しいパンクバンドだが、彼らの曲を聴けば聴くほどブルーハーツ
"不良にすらなれない端くれの心の叫び"
を歌ってるのをヒシヒシと感じる。
そういう叫びを歌ったのがこの2ndアルバム「young and pretty」
 
好きな3曲
「ロクデナシ」
young and pretty というアルバムを一曲にまとめるとこの曲になるだろう。
 
「星をください」
メロディが好き。
 
「チェインギャング」
真島ボーカル。
優しい。
 
好きなフレーズ
生まれたからには生きてやる 
「ロクデナシ」より
 
仮面をつけて生きるのは
息苦しくてしょうがない
「チェインギャング」より
 
ひとりぼっちが怖いから
ハンパに成長してきた
「チェインギャング」より
 
3rd album
「TRAIN-TRAIN」
 
 
 
 
★★★
1988年11月23日リリース
大好きなアルバムであり、大好きな文学作品。
言葉選びが非常に秀逸。
 
好きな3曲 
「TRAIN TRAIN」
キャッチー、サビがとにかくキャッチー、歴代JPOPの中でも有数のキャッチーさ。
言わずと知れた名曲。
 
「僕の右手」
何に向けたものなのか、誰に向けたものなのか。
 
「青空」
ブルーハーツにハマるきっかけとなった曲。人種差別を歌う曲は他にも山ほどあるが、これだけ真っ直ぐな曲はなかなかない。
 
好きなフレーズ
見えない自由が欲しくて 見えない銃を撃ちまくる  
「TRAINTRAIN」より
 
世界中に定められたどんな記念日なんかより あなたが生きている今日は
どんなに素晴らしいだろう
「TRAINTRAIN」より
 
世界中に建てられてる どんな記念碑なんかより あなたが生きている今日は
どんなに意味があるだろう
「TRAINTRAIN」より
 
メリーゴーランド 1番前は誰
「メリーゴーランド」より
 
歴史の本の最後のページ
白紙のままで 誰にも読めないよ
「電光石火」より
 
闘う時には武器などいらぬ
愛する時には言葉はいらぬ
「ながれもの」より
 
神様にワイロを送り 天国へのパスポートを ねだるなんて本気なのかい?
「青空」より
 
こんなはずじゃなかっただろ?
歴史が僕を問い詰める 
眩しいほど 青い空の真下で
「青空」より
 
4th album
「bust waste hip」
 
 
 
 
★★☆☆☆
1990年9月10日リリース
 
レーベル移籍後初のアルバム、いい意味で力の抜けた曲が多い。ブルーハーツ初のオリコン1位を獲得。
 
好きな3曲
 
「首つり台から」
 
「恋のゲーム」
このアルバムにおける"面白いブルーハーツ"のど真ん中がこの曲。
 
「情熱の薔薇」
アルバムの核。
正直このアルバムはそれほど好きではないのだがこの一曲があるお陰でアルバムがピシッと緊まってる。サビが最後だけにしかないという珍しい曲。
 
好きなフレーズ
どっかの坊主が 親のすねかじりながら 
どっかの坊主が 原発はいらねえってよ
どうやら それが新しい流行りなんだな
明日は一体何が流行るんだろう
「イメージ」より
 
誰が勝ったのか 誰が負けたのか 
恋のゲーム 恋のゲーム 恋のゲーム
「恋のゲーム」より
 
3.141592...
 
なるべく小さな幸せと
なるべく小さな不幸せ
なるべくいっぱい集めよう
「情熱の薔薇」より
 
見てきたものや 聞いたこと
今まで覚えた全部  
デタラメだったら面白い 
「情熱の薔薇」より
 
 
 
5th album
「High kicks」
 
 
 
 
 
★★★☆☆
1991年12月21日リリース
 
楽しいブルーハーツ、面白いブルーハーツ、カッコいいブルーハーツ...
いろんなブルーハーツが一枚に収まってる作品、悪く言えば平均点。
 
好きな3曲
 
「あの娘にタッチ」
愉快なブルーハーツ
 
「泣かないで恋人よ」
"諦めきれぬ ことがあるなら 諦めきれぬ と諦める" 
ブルーハーツの中でも1.2位を争う好きなフレーズ
 
「TOO MUCH PAIN」
叙景詩な叙情詩
甲本ヒロト以外歌えない曲。
 
好きなフレーズ
泣かないで恋人よ なにもかもうまくいく 
「泣かないで恋人よ」より
 
諦めきれぬ ことがあるなら 諦めきれぬ と諦める 
「泣かないで恋人よ」より
 
はみ出しものたちの 遠い夏の伝説が
廃車置場で錆びついてら
「TOO MUCH PAIN」より
 
僕ら必死でわかりあおうとしてた
歯軋りをしながら
「TOO MUCH PAIN」より
 
つめこまれてきたね 意味のないガラクタだけ
「TOO MUCH PAIN」より 
 
6th album
「stick out」
 
 
 
 
★★★★★
1993年2月10日リリース
移籍後のEAST WEST JAPANにおける最高傑作がコレ。再生ボタンを押した途端押し寄せてくるパンクパンクした曲の数々。素人考えだが、このあたりからメッセージ性を放棄した曲が多く見られるようになる。そしてこの頃日本が初参加したPKOを皮肉る曲が数曲ある。
 
好きな3曲
 
「旅人」
歌詞とメロディの絡みが最高。
空襲や水爆?の様子がpvに使われており、プルトニウムという単語が頻出するがそういう類のメッセージ性は特にない。
疾走感のある曲。
 
「月の爆撃機
イントロが100点。
 
「1000のバイオリン」
CM王 THE BLUE HEARTSのベストCMソング。"1001のバイオリン"もあるが自分は1000のバイオリンのが好き。
 
好きなフレーズ
何か理由がなければ 正義の味方にゃなれない 
「すてごま」より
 
夢が叶うその日まで 夢見心地でいるよ 
「夢」より
 
死んだらそれでさようなら
安っぽいヒロイズム 嫌いじゃないもんな
「やるか逃げるか」より
 
声のデカい奴が笑う
「台風」より
 
 
嘘は許さない 嘘は許してる
嘘に泣かされて 嘘で笑ってる
嘘は許さない 嘘は許してる
嘘に傷ついて 嘘でほっとしてる
 
「うそつき」より
 
想い出は熱いトタン屋根の上
アイスクリームみたいに溶けてった
「1000のバイオリン」より
 
 
7th album
「dug out」
 
 
 
"寄り添うブルーハーツ"
 
★★★★
1993年7月10日リリース
 
前作を作る際に曲を書いたところ全部で20数曲になったので「アップテンポ、スローバラードと、2枚アルバムを作ろう」ということになり、出来たのがstick outとこのdug outである。なので全体的に穏やかでサウンドもポップス寄りになっている曲も少なくない。
そしてこのアルバムで真島昌利の書く詩の世界観が頂点に達する。正直歌詞カードを見ると歌詞は支離滅裂かも知れないが、聴いてる間 確かに頭の中には彼の書いた詩の世界が広がってる。そして、「なんか適当に曲流すか」って時にこれを手にしてることが多い。
 
好きな3曲
 
「手紙」
作詞家 真島昌利の最高傑作。
天才のそれ。
 
「雨上がり」
6月の雨上がりに聞きたい。
 
「夕暮れ」
ギター甲本ヒロトの数少ない作品。
これこそ寄り添うブルーハーツ
 
好きなフレーズ
 
 
背骨で聴いている ハチミツの雨
ひまわり畑で ラジオが歌うよ
「手紙」より
 
彼女のキスにおぼれる 僕の幻を笑え
「トーチソング」より
 
雨上がりの夏の夕暮れ
まるでサイダーそのままサイダー
 
「雨上がり」より
 
過ぎて行った時が
まるで永遠に続く
土曜日の夜ならば
今日は何曜日なんだろう
 
「年をとろう」より
 
今夜 5月の風のビールを飲みに行こう
「夜の盗賊団」より
 
一体何が本当なのか 見てきたような顔をして 作り話で 盛り上がろうぜ
「ムチとマント」より
 
白く雪のように舞い落ちるもの
茶店で見た生クリームか
ヨーグルトなら 積もればいいのに
 
「パーティー」より
 
last album
「PAN」
PAN
2010-02-24
 
 
 
 
★★☆☆☆
1995年7月10 日リリース
 
解散を決めていたブルーハーツだが、"契約が残ってた"という理由でやむなく作ったアルバム、リリースは解散後である。
各々が持ち寄った曲を寄せ集めたアルバム。アルバム単位で聴くことはほぼない。
 
好きな曲
「もどっておくれよ」
美しいサウンドとしゃがれ声の真島の歌が絶妙にマッチしてる、解散するTHE BLUE HEARTSへ向けた曲。ひたすら美しい。
 
「花になったかまきり」
ドラム梶くんの曲。
南国 って感じ
 
「歩く花」
ヒロトっぽい
 
好きなフレーズ
 
もどっておくれよ こぼれたサイダー
「もどっておくれよ」より
 
いってしまった夜 いつもの嘘だと
思って1人で ずっとテレビ見てた
「もどっておくれよ」より
 
恋をしていた僕は3mくらい
君をなくした僕は今じゃ2cmくらい
「休日」より
 
何もかもいろんなこと お日様のせいにして 僕はぼうっとしてる
「休日」より
 
ありがとさん
「ありがとさん」より
 
 
以上です。
ブログ書く際に全曲聴き直したんですが、ブルーハーツって愛する人を"あなた"って表現することが多いですね。
 
おしまい。
 
興味を持った方はまずコレ↓を
SUPER BEST
1995-10-16