当ブログの更新停止のお知らせ
様々な方に記事を書いていただき、音楽好きの憩いの場として機能させようとしてきたこのブログですが、この度、更新を停止させることにしました。
記事が思うように集まらず、アクセス数も芳しくなく、管理人のモチベーションを維持することが難しくなったことが理由です。
『音楽だいすきクラブ』が機能していたのは、ひとえに管理人のpittiさんの人望、知名度、運営能力あってゆえなのだなぁと思う次第です。
記事は残しておきますので、お好きな時にお読みください。管理人のよーよーは『とかげ日記』 https://ameblo.jp/yoyo0616/ で引き続き記事を書いていきますのでよろしくお願いします。
ヒグチアイ『日々凛々』(byイカリ)
ヒグチアイは2014年2年に1st ALBUM「三十万人」をリリースした、
2015年3月にセルフプロデュースによる2nd ALBUM「全員優勝」をリリースし、
今作はメジャーアルバム2作目にあたる。
1.「わたしはわたしのためのわたしでありたい」
素晴らしいリード曲。
静かな導入部から、徐々に張り詰めたテンションが上がっていき、
「現状に満足していない」「
しあわせの数 増えて見つけた
ちいさなかわいい家
これが全てだ そう言った友よ
しあわせでいて
歌詞のこの部分に、そうした思いがよく表れている。
アルバムの出だしとしては満点。
なお、この曲は、愛を歌うシンガーソングライター ヒグチアイのおすすめ曲8選+1、【
2.「永遠」
アップテンポのナンバー。
「永遠、
3.「コインロッカーにて」
さらにアップテンポナンバーでたたみかける。
テーマは「間引き」。とはいえ子を殺すのではなく、「
とおりゃんせ とおりゃんせ
いきはよいよい かえりはこわい
とおりゃんせ とおりゃんせ
いなけりゃいいのは ほんとはわたし
「とおりゃんせ」
4.「かぜ薬」
ミドルテンポのバラード。
39度の発熱。この熱が下がらなければ、君はずっといてくれる。
でも熱は下がり、「別れ話」のとおりに別れてしまう。「2日分 残された薬」が別れた人の優しさを感じさせる良曲。
5.「玉ねぎ」
失恋の涙を玉ねぎを切ったからとごまかす歌。
「ありきたりなエンディングの映画で泣けちゃうくらい 泣きたいんだ」という歌詞が心のありようをよく表している。
涙を玉ねぎのせいにするのもありきたりではあるが、
バラードでありながら3分48秒と、
6.「わたしのしあわせ」
やわらかなイントロから、淡々と自分の状況を歌い上げていく。
「わたしのしあわせは誰のものでもない」、
自分の幸せをちゃんと自分でわかっていたいんですよね。
幸い今の私は、ちゃんとこう思っている気がしていて。
だからこの曲が自分のバロメーターで、こう思えてるかどうかみたいなところはありますね。※ エキサイトミュージックインタビューより
このことをわかったうえで聴くと、
7.「ぽたり」
21歳の時に書いた曲とのこと。雨と涙で「ぽたり」
食って寝て泣いて 腹へって また食って
まわって また同じ所に戻って
ただ同じ毎日を繰り返しているようでありながら、最後には「
8.「不幸ちゃん」
彼の浮気を追い詰めていく歌。
写真のチェックは風景も外さない
一人でこんな場所に行くはずないじゃん
白白黒黒白黒黒黒 器用じゃないもんね
数々の証拠をおさえ続け、果ては「フォロワーチェック」「
サンバ調で明るい曲調が怖さを希釈しているが、
しかし、この不幸を先祖のせいにしたりして、
9.「最初のグー」
「最初のグー」に関しては、ヒーローみたいな題材があったんです。
だからヒーローを見ている女の子を想像して書いたんですけど、すごく楽しかったです。自分のことじゃないので、 自分を切り売りしなくていいから。
だけど結果的に私はこういうことを言われたいのかもしれない、みたいな歌詞になりました。※ エキサイトミュージックインタビューより
とあるように、歌詞にその思いが反映されていると感じる。
ちょっとこぶしの効いた曲調にもなっていて、
10.「癖」
スローバラードでアルバムを締める。
誰 誰しもが欲しがられたいのだ
生きている意味は 誰かがくれるもの
しあわせは自分の尺度ではかるものだけれど、
しあわせとイコールではないが、それも確かに大切なことだ。
「しあわせ」と「私」が本アルバムの芯を貫いている。「
今の自分の状況に迷っている、
CDにはヒグチアイ自身による全曲解説が添えられている。
実に濃密で何度でも繰り返し聴いていたくなる、
・ノリフネ!~乗りかかった船~「今日の1枚 vol.8 – ヒグチアイ『日々凛々』(2018年)」
【アーティスト紹介】THE COOL CHIC CHILD(by deamu)
・メンバー
上條貴志(Vo.)
家垣康伸(Gt.)
藤森正博(Gt.)
桝田智彦(Ba.)
原健二(Dr.)
・来歴
1994年、元Ber:Sati、NUDEのボーカル上條貴志を中心に結成。
インディーズのデンジャークルーレコードから1995年にシングル「GROWING UP!」、1996年にアルバム「SPY"C"」をリリース。
1997年、「Clover~風立ちぬ場所を抜けて~」でTOY'S FACTORYよりメジャーデビュー。メジャー在籍中6枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。
1999年にインディーズに戻り、翌2000年のファンクラブ限定ライブをもって解散した。
・自分の好きな曲順
1 僕は僕らを忘れない
2 Clover~風立ちぬ場所を抜けて~
3 BOOGIE DAYS~イキに生きよう~
4 My Shooting Star
5 パーフェクト・ラブ
6 ダイアリー
7 GROWING UP!
8 Day by Day
9 Hello, My Girl Friend
10 I WANNA HOLD YOU
11 sky-pilot
12 海辺
13 50/50で行こう!
14 君でとかす午後
15 Heartache
16 Walkin' On The Blue Days
17 Bye Bye Dream -あの日の気持ち-
18 New Heaven
19 クラウディ
20 Your Garden, My Flower
・好きなアルバム
1 Spider (1997年、2nd)
たぶん去年一番聴いたアルバム。CCCの持ち味である爽やかなポップロックが全編に渡って展開。Trueの頃のラルクをよりポップ方向に振り切らせた感じ。歌唱にクセのない初期SOPHIAとも言えそう。ボーカル上條の上手いとは言わないがナルシシズム溢れる味のある歌唱も魅力。V系に馴染みのない人にも自信を持ってオススメできる名盤です。
好きな曲
・Clover~風立ちぬ場所を抜けて~
・パーフェクト・ラブ
・BOOGIE DAYS~イキに生きよう~
・ダイアリー
・僕は僕らを忘れない
僕は僕らを忘れないC/Wの「Day by Day」入れて欲しかった。絶対合ったのに。
2 NEWHEAVEN (1998年、3rd)
ラストアルバム。前作よりもロック色が増したアルバム。それでも楽曲の良さは変わらず。だけどこのバンド聴きたくなったらやっぱり「Spider」を聴いてしまうので聴く機会はあんまりなかった。こちらはラルクやSOPHIAよりGLAYっぽい感じがします。「君でとかす午後」の歌詞の詰め方とか特に。
好きな曲
・I WANNA HOLD YOU
・sky-pilot
・My Shooting Star
・君でとかす午後
・NEWHEAVEN
My Shooting Starが頭一つ抜けて名曲。
3 SPY"C"(1996年、1st)
インディーズ時代のデビューアルバム。デンジャークルーなので文字通りラルクの後輩ですね。キャッチコピーは「大胆不敵なポップス大作戦」(ダサッ)
キャッチコピーに違わずこちらも超ポップアルバム。「Hello, My Girl Friend」なんかはもうV系の括りではない同年代のポップスバンドが歌ってそうなくらい。そこが売れなかった原因なのかもしれないが…。
好きな曲
・Hello, My Girl Friend
・50/50で行こう!
・Your Garden, My Flower
・GROWING UP!
・Walkin' On The Blue Days
THE COOL CHIC CHILD、今からでも再評価されるべきバンドです。V系大好きな人も、そうでない人も一度彼らのポップスを是非。
【2010年代の邦楽名盤④】MOROHA『MOROHA III』(byよーよー)
●2016年のベストアルバム候補
雷に打たれるような衝撃を覚えた前作から3年、また地上を穿つような新鮮な雷に打たれている自分がいる。
前作までの二作は曽我部恵一氏の主宰するローズ・レコードからアルバムを出していたが、今作は自主レーベルYAVAY YAYVA RECORDSからリリース。
トーク番組「しゃべくり007」への二度の出演やスマホのCMなどでのナレーション、クラムボンのアルバムに作詞で参加するなど、活動の幅を広げてきたMOROHA。MCのアフロによる『俺のがヤバイ』というタイトルのエッセイ本も出版した。それらの活動では、自分たちの志を守りつつ、大人達の打算と付き合っていこうとする姿が垣間見える。
ファーストアルバムからセカンドアルバムに向かうに連れ、ギターもラップも感情がより乗るようになり、華のようなものも増した。サードアルバムである本作は前作のクオリティを維持しつつ、新たな挑戦とエモーションが渦巻くものになっている。
新しい挑戦の一つはUKのアコギにパーカッシブな音が加わったこと。アコギのボディの様々な所を叩いて音を出しているようだが、複雑なメロディを奏でながら同時並行でアコギを叩く技量がすごい。得意のアルペジオも本作はさらに磨きがかかっている。エコーがかかるとアコギの音色に心の円の隅々が染まるようだ。
●成熟した大人になり、得たものと失ったもの
本作と前作の大きな違いはリリックの成熟だ。前作の#2「革命」におけるリリックを#3「宿命」で翻す。歌詞カードには書いていないリリックだが、以下のリリックがある。『(「革命」の時の)「居酒屋だけの意気込みじゃゴミだ」と息巻いていた自分たちはめちゃめちゃダサかったよな、若かったよな、黒歴史だよな。だけど、あの頃の俺たちから見たら、今の俺たちは何色の未来なんだろうね?』。成熟で失ったものを描くことを忘れていないのだ。
そんなMOROHAは#6「VS」において、「明日死んでも構わねぇなんて飛び込めた十代と/明日が恐い 未来が恐い/だからこそ飛び込む今現在/なぁどっちが勇気だと思う?/なぁどっちが力強いと思う?」と歌詞で問いかける。答えを曲中で出さないところがMOROHAらしい。
その一方で#1「RED」、#2「それいけ、フライヤーマン」などの曲で表現されるような大人ならではのガムシャラさもある。
破格のエナジーを感じた前作は緩みを許さない青春のガムシャラさの息苦しさがあったが、本作のMOROHAは成熟した大人のガムシャラさの頼りがいがある。
●揺るがないもの
前作の#3「ハダ色の日々」のような愛を歌う歌ももちろん健在だ。#4「Apollo 11」、#5「スペシャル」、#7「tomorrow」、#9「Salad bowl」がそれに当たるが、特に#4「Apollo 11」は、アフロの前の彼女が結婚式を行うので作った曲だが、こんなにも暖かい、永遠のように安定した善意と愛はここでしか聴けない。中村一義が100sの『世界のフラワーロード』で示した安定した善意と愛は世界に対してのものだったが、本作の善意と愛はもっと泥臭いフェイストゥーフェイスの善意と愛だという気がする。
そして#8「GOLD」や#10「四文銭」のようなリスナーをその血潮の熱さで鼓舞する曲に安心するのだ。ここ最近の僕は根拠のある批判にひるみ、根拠のない悪意を恐れ、身近な友人の「死にたい」という言葉に引き寄せられるように、タナトスの憂鬱の底にいた。MOROHAのアフロが「だいじょぶ だいじょぶ」と歌うと憂鬱が安堵に変わる。これから苦しくなった時に僕は何度もこのアルバムに立ち返るのだろう。絶対に揺るがない愛も熱意もここにあるんだなって。
tomorrow
2つの革新がもたらされた新作〜「ホームタウン」/ASIAN KUNG-FU GENERATION(by softman)
よく考えたら前作からもう3年半経過していたアジカン
なるべくして生まれた最高傑作 〜「F」/フジファブリック〜(by softman)
もう既に各所で絶賛されているフジの新作「F」
ただの企画ものと思うなかれ 〜「ジェニーハイ」/ジェニーハイ〜(by softman)
ラノベ界でいうなら鎌池和馬、芸能界なら星野源に匹敵するほどの労働ぶりであり、本人も事実上ワークホリックであることを自覚(ある雑誌のインタビューで何かしないと死んでしまうと発言)している川谷絵音