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364日ぶりの新作〜「ギリ平成」/キュウソネコカミ〜(by softman)

 

 

タイトル:「ギリ平成

アーティスト:キュウソネコカミ
 
昨年も年間100本のライブをこなしたキュウソ
それも春夏秋冬ほぼツアー状態
にもかかわらず、キュウソがアルバムを制作していただなんて誰が予想したでしょう(メンバー曰く「364日ぶり」。これをやたらインタビューで強調しています)
 
なので製作風景はピリピリとする!!
と思いきや、意外とリラックスして制作できた今作
己の生きざまを見せつけた前作と比較すると、良い意味で今作はバラけています
 
ただ、7月の時点では2曲ほどしか曲が出来てなかったらしくそこから一気にギアを上げたと思われるのは明白
その段階で出来ていたのがリード曲にもなった曲名からイメージするのが容易な「推しのいる生活」、キュウソの原点とも言えるコミックソング「ただしイケメンに限らない」というNHKホールワンマン用に制作された曲
それにgo!go!vanillasとの対バンに用意された「ギリ昭和」以外が一気に作られたのでしょう 
 
でも製作雰囲気は上でも書いたようにじっくりと
出なければ「炊き上がれ召し上がれ」のような象印ユーザーがニヤリとする演出も入れられませんし、「米米米米」と曲を2つに分ける案も出てこない
 
更に今回は初期を意識した作品も多い
「KENKO不KENKO」、「ピクピク」辺りはかつてキュウソが中心にしていたニューウェーブ系統の作品
更に「遊泳」なんかも「何もない休日」を彷彿とさせたり、フレデリックのアルバムに何気なく入ってそう
全体的に見るとニューウェーブ色が強い気がします
 
でも最終的に全て飲み込むのは「真面目に」
「わかってんだよ」もそうですが、キュウソの真骨頂はエモにある
そうした感傷的な曲にグッと心を引かれてしまうのです
特にCDJ18/19で見たあとだと尚更
やっぱりキュウソはエモだよなあ
 
けれども前作と比べると「う~ん」となってしまうのが正直な話
前作はメンバーのルーツが表に非常にハードなアルバムになっていたんですが、今作は少しコンパクトに感じてしまう
だからあとはライブでどれだけ評価を変えられるか、これにかかっています
 
そしてキュウソは今のツアーを終えたあと、対バンツアーを予定
相変わらずハードなスケジュールですが、これでまたフルアルバムを出してしまったら凄いことに…
 
評価:★★★★